扇沢~爺ヶ岳~鹿島槍ヶ岳~八峰キレット~五竜岳~五竜山荘~遠見尾根~高山植物園~白馬五竜アルプス平ゴンドラ駅
夏の後立山連峰の登山記録
単独行
キレット超えと百名山二座踏襲の2泊3日
快晴の盆休み
猛暑の中、後立山連峰をテント担いで縦走してきました
かねてから行きたかった後立山連峰の八峰キレット超えテント泊縦走
爺ヶ岳(2670m)、鹿島槍ヶ岳(2889m)、五竜岳(2814m)と言う名だたる山を制覇し、日本三大キレットの一つ、国内屈指の難易度と言われる八峰キレット超えに重量が嵩むテント装備で敢えて挑戦する
アプローチ
今回は扇沢から入山して白馬五竜に下山という事でマイカー回送サービスの大町トラフィックさんを利用した
扇沢で預けた車を下山日に白馬五竜に駐車場に廻してもらう事にした
料金は¥15,000
前日夜に扇沢駅に隣接している大町トラフィックの駐車場で車中泊させて貰えるので便利である
通常の登山者用駐車場を利用しても1日¥1,000なので白馬五竜から扇沢までタクシー、バス、電車で戻ってくる料金と時間を考えると総合的にお得だ
店員の方の対応も素晴らしく、お勧めのサービスである
今回の山行行程
今回は扇沢から入山
柏原新道で爺ヶ岳を超えて冷池山荘のテント場にて1泊
翌日鹿島槍ヶ岳を経て、八峰キレット超えをして五竜山荘のテント場で1泊
遠見尾根で白馬五竜の高山植物園に下山という2泊3日の行程を立てた
2日目のキレット超えの行程が10時間超と長過ぎるのが懸念される
八峰キレットのど真ん中に建つキレット小屋でもう一泊するのがベストだが、キレット小屋にはテント場が無い為テント泊派の筆者はこの行程にするしかなかった
体力との勝負になるが、キレットでの無理は死に繋がるので危なければピストンで下山かキレット小屋にて緊急泊の判断もしっかりなければならない
扇沢~爺ヶ岳
扇沢駐車場から15分、柏原新道から入山です
素晴らしい晴天
今回の登山は期待できます
余談ですが今回の登山はテント泊装備で八峰キレット
なるべく荷物を軽量化する為に食事7食分をほぼドライフーズにしました
美味しい食事を犠牲にした結果荷物は水込みで16kgまで押さえる事が出来ました
柏原新道がしっかり整備されていたからか、荷物を軽量化したからか種池山荘までは然程疲れず登れました
種池山荘で小休止、コーラと爺ヶ岳の山バッチを購入して行動食でエネルギー補充
ここから三百名山の一つ爺ヶ岳を登ります
爺ヶ岳は南峰、中峰、北峰の三つの頂上があります
これらを超えて本日の宿泊地である冷池山荘を目指します
まず爺ヶ岳南峰2670m登頂
遥か向こうに冷池山荘
そして更にその向こうに2つの峰からなる後立山の主峰鹿島槍ヶ岳がよく観えます
続いて中峰登頂
時刻はAM10:30
少し疲れ始めてきました
あそこに見えるは冷池山荘
あと少し歩けば今夜の宿泊地です
しかしどうして中々、近いようで辿り着くには結構骨が折れます
冷池山荘テント場
PM12:30爺ヶ岳北峰を超えやっと冷池山荘到着
本日の幕営地です
幕営の手続きを済ませたら、ポカリスエットを購入して一気飲み!
生き返ります
ちなみに水は1ℓ¥150円です
山荘から8分登った場所にテン場はあります
トイレも飲み物購入も空き缶捨てるのも山荘まで降りなければならないので、疲れ果てた身体にこの距離は少し不便です
さてさてテントを張ったら食事にしましょう!
さぁ今回の献立はスパムピリ辛焼きです
缶詰スパムはゴミがかさばるので、一食食べ切りサイズの85gスパムを持ってきました
レトルトパウチーなので食べた後のゴミも軽くてコンパクト
スパムに唐辛子をまぶしてカラッと焼き上げます
唐辛子とサラダオイルはナルゲンのミニボトルに入れて持ってきました
今日の夕飯は唐揚げの他に「山菜おこわ」に「レトルト中華あんかけ」をのせた中華丼
そしてビールで乾杯
唐揚げはピリっとスパイしーでビールの当てに最高でした
おこわ中華丼も美味だったよ
飲み食いしてる内に陽も暮れてきました
明日はいよいよ八峰キレット超えの10時間耐久地獄の行脚です
明日の体力を回復させる為PM19:00には寝袋に包まり眠りました
冷池山荘を出発~鹿島槍ヶ岳アタック
朝飯はフリーズドライカレーにレトルトカレーをかけて食べます
昨夜の中華丼と今朝のカレーで重さのある食材は全て平らげました
キレットはなるべく軽い状態で入りたいからです
山では「軽さは正義」である、大袈裟ではなく300gの重さの差が大きく響いてくるのです
AM4:30
テント撤収して行程開始
まずは布引山を登ります
朝陽が昇り山々を照らす
最高に綺麗だ
標高3000m付近の山岳路は現代の面影など一切無く、何百年も前からその情景を変えないでいるのでは無いだろうかと思える
AM6:30
鹿島槍ヶ岳の南峰2889mへ登頂
昨日の山行の疲れは完全に癒えてはおらず、寝起きにこの登りはかなり堪えました
完全に陽も昇り汗だくです
鹿島槍南峰から北峰へ向かう途中30分ほどのガレた急な降りがあります
吊尾根と呼ばれるこの道は結構危険
転倒、落石に気をつけながら降りていきます
そして登り返す事15分
鹿島槍北峰まであと少しだ
鹿島槍ヶ岳の北峰2842mへ登頂
いや〜、いい眺めです
鹿島槍から眺めるこれから向かう三大キレットのひとつ、国内屈指の難易度を誇る八峰キレット
そしてその向こうにドンと聳える五竜岳
後立山連邦核心部「八峰キレット」
いよいよ後立山連峰の核心部
八峰キレットに足を踏み入れていきます
ちなみにキレットを漢字だと「切戸」と書きます
特に深くV字状に切れ込んだ地点を指します
気が引き締まります
ここからコースタイム約6時間
鎖と梯子、岩登りなどが連続してやってきます
人が一人通れる足場の横は常に崖です
足を踏み外したりしたら奈落の底へ一巻の終わり
嫌でも鎖や梯子を掴む手に力が入ります
ヘルメットを持ってこなかった事を後悔しました
かなり落石があるので、ヘルメットはあった方が断然安心感があります
実際キレット超えをしている半分以上の方がヘルメット装備をしていました
永遠に続く鎖場
キレット横断中はストックを出せる場所など無いので、テント装備だと足と手がとても疲れます
ザックの重量を軽量化してきて良かった
お盆休みで快晴、そして登山をやる者にとっては憧れであるキレット
もっと人が多いと予想してましたが、思ったより全然人が少なく意外でした
扇沢〜鹿島槍やこの先の五竜岳〜五竜白馬ではたくさんの登山者が居たのでこのキレット超えはやる人が少なかったのかな?
危険だからか、たまたまかはわからないけどラッキーでした
このコースですれ違いがたくさんあったら気疲れしちゃいます
崖に木材が針金で固定されてます
信じられませんが足場はこれだけ
壁には鎖があります
足場が崩れたら鎖で自重を支えろという意味ですかね
必至に鎖にしがみつきながら渡ってゆきます
木材を足がかりに鎖を握りしめ渡る
この木材大丈夫か?とハラハラします
AM8:45
ようやくキレット初の休憩場所であるキレット小屋へ到着
左右がスパッと切れ落ちたコルに建設されてます
よくこんな場所に建てたものだ
キレット小屋で15分小休止
ポカリスエットで喉を潤す
剱岳がよく観えます
あの剱から昇る日の出は絶景だと有名です
この小屋に泊まった客だけが観れる景色
冷池山荘を出発してから4:30
ここからキレット後半だ
その向こうの五竜岳を目指して気を引き締め直します
今回は『後立山連峰縦走八峰キレット(前篇)』レポの紹介でした
後篇へ続きます
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