山歩きの記録

車でアプローチ&テント泊スタイル

【日本百名山】南アルプス南部縦走(後篇)【千枚岳・丸山・前岳・中岳・悪沢岳・赤石岳】

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畑薙駐車場~登山基地 椹島~千枚小屋~千枚岳~丸山~悪沢岳~前岳~中岳~赤石岳~小赤石岳~赤石小屋~登山基地 椹島

 

夏の南アルプス南部縦走記録

登山隊2名

 

入山2日目の14:00赤石岳の登頂をした我々は突然の雷雨に見舞われた

高さが膝下くらいまでしかない高山植物しか生えない標高3,000mでの雷は人間に落ちやすいため本当に危険だ

本来なら赤石避難小屋に避難一泊するべきところを下山日を伸ばしたくないあまり強行する判断をしてしまう

この判断は間違いなくミスだ

筆者のせいで相棒まで危険に晒してしまうことになった

AM3:00からテント装備で既に11時間歩き続けている

赤石小屋まで3時間のコースタイムをこの悪天候の中無事たどり着けるのだろうか?

 

 

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前回までの記録

 

www.zel-outdoor.com

 

 

赤石岳~赤石小屋 

今回の記事は想像を絶するの雷雨に見舞われた事により写真を撮影する余裕が全くもって無かった

加えて金属製のデジカメを出したら落雷を招く可能性もあったので最小限の撮影に留めた

そのため画像少なめなのを了承願いたい

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赤石岳にて予定していた七つの頂をとうとう全て踏んだ我々
残す行程は赤石小屋まで3時間弱を歩き宿泊して翌日下山するのみとなった
しかしかつて経験の無い雷雨に見舞われる
赤石小屋まで辿り着けるか不安に駆られる

それが不可能と感じたらこの雷雨の中ビバークも考えられなければならない

最悪の場合遭難として救助要請も余儀なくなる可能性もある

 

土砂降りの中急勾配なザレ道を降っていく
赤石小屋に着くまでの2時間半
30秒おきに空に稲光が走り雷音が轟く

読者の皆さんは目の前の空間を雷が真横に走るのを見たことがあるだろうか?

本当に怖かった
今まで雨に降られた事は幾度もあったがここまで本格的な雷雨は初めての経験である
特に光った瞬間に轟音が轟いたのが2回あったのが生涯忘れられないほどの恐怖だった
1秒後に音が鳴った場合で、落雷地点より約340mの距離の場所に居ると言われている

光ると同時の落雷音は光速と音速がほぼ同時に届く距離という事なので、この時の我々は確実に落雷地点のすぐ傍に居たことになる

 

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近接距離での落雷の轟音は地上で聞くそれとは別物である

 近場に雷が落ちた瞬間、落雷音で鼓膜がやられ暫くの間「キーン」という耳鳴り以外全く無音の世界に放り込まれる

時間にして30秒かもしくはそれより短い時間であるとは思うが、降り注ぐ土砂降りの雨音も、目の前で叫んでる相棒の声も、自らの悲鳴も全て聞こえないのだ

ただただ皮膚に感じる雨の感触と寒さと疲労による足の痛みだけを感じる

恐怖以外何者でもない

重ね重ねになってしまうが本当に怖かった

生涯あの時ほど人間は自然の前では無力であり、一瞬でその命を奪われるかも知れないという恐ろしさを身に染みて味わうことは無いと思う

 

年甲斐も無く悲鳴を上げて走るように山小屋まで全速力で走った

疲労が限界であり、歩くこともキツかったはずだが不思議と走ることができた

20㎏弱のザックを背負い、めちゃくちゃ足場の悪い山道にも拘わらずだ

火事場のクソ力とは正にあの時のことを言うのだろう

人間すでに限界だと思っていても追い詰められると思いもよらぬ力が出るものだ 

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見えた!!

赤石小屋が見えた!

3時間のコースタイムをこの悪天候の中2時間強で駆け抜けるように歩き切った!

この時また雷鳴が轟き無音の世界になったが相棒の歓喜の表情が忘れられない

 

 

 

赤石小屋で久しぶりの小屋泊

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雷鳴が鳴りやまないので小屋に入るまで安心できない

最後の力を振り絞り小屋に辿り着く

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小屋に駆け込み安堵の溜息をつく

生粋のテント泊好きで小屋泊はあまり得意じゃない筆者だが、体力はとうに限界を過ぎておりテント設営をする余力がない

何よりもこの雷の中テントで寝る勇気は無かった
そこで相棒と相談して今宵はテント泊は諦め小屋泊を申し込む事にした
素泊まり4,500円に夕飯も申し込み+2,000円

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山小屋飯は大御馳走だ!
焼き肉定食を標高2600m地点で食べられるとはなんたる幸せ

ビール美味しい!お肉美味しい!

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たらふく食べて満腹になった我々は19時には寝袋に潜り寝入っていた

寝る前に相棒と呑みながら摘まもうと思ってた柿ピーも半分も食べずに即深い睡眠に落ちていた

夜中にガサゴソ煩いので寝ぼけながらも目が覚める

すぐ枕元でなんとネズミが柿ピーをむさぼっている

普段なら飛び起きるとこだが疲れ切った身体が言うことを聞かない

「柿ピーはネズ公にやるよ…」と思いながらすぐさま夢の中へ戻っていった

 

 

 

赤石小屋~椹島

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翌朝AM4:00起床

昨夜の雷雨は止んでおり今日は晴れそうな夜明け前の空だ

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朝飯は行動食だけで済ます
本日の行程は終着地点である椹島ロッジまでコースタイム3:30の道のりだ

9時間の睡眠により身体は回復している

完調とはいかないが午前中いっぱい歩くくくらいなら問題ない

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気持ちの良い朝の南アルプス登山

野鳥の鳴き声が心地よい 

空気がひんやりとして歩きやすい

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涼しい午前中とは言えザックを背負って山歩きをしているのだから汗は大量に掻く

出発して2時間も経つと回復したと思っていた脚もまた重くなってくる

やはり一晩ではあの疲労は抜け切らなかったか

しかしもうすぐこの行程も終了かと思うと不思議と苦にならない

相棒もそれは同じようで「脚が痛い、痛い」と言いながらも笑顔である

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林道が見えた時は思わず相棒と握手!

やっとこの旅も終わりだ

今回は本当に死ぬかと思った

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椹島ロッヂはこちらです(笑)

アスファルトの道ってなんて歩きやすいのだろう

普段は当たり前のように歩いてるのにね

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AM8:30椹島帰還

2人とも怪我無く下山できて本当に良かった

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最初のバスはAM8:00に出てしまった為間に合わず
次はAM10:30
2時間待ち
時間を持て余すと思いきや、周りの登山者と話したり装備品チェックしたり、ジュース飲んで御土産品選んでたりしている内にあっという間に時が経ちバスが到着した
マイカーを駐車している畑薙駐車場に向かい1時間林道をバスに揺られる
バスが出発してすぐに2人とも気を失うように寝てしまった

本当に疲れ果てていたんだなぁ

 

 

 

 

我が家へ帰ろう

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AM11:30駐車場到着
車に荷物を積み込み登山靴を脱ぎサンダルに履き替える

やっと家に帰れると安堵のため息をつき運転開始

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走り出して30分ほどの場所に登山帰り客狙いの温泉発見
4日分の汚れを落とす
あまりにも汚れていて体は2回、頭は3回洗わねば泡立たなかった
奇麗さっぱりになり着替えたら
また細い林道を3時間ほど運転だ

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新東名に乗り一発目の静岡SAで待望のご

飯タイム

今日はまだ行動食しか食べてない

まともなご飯は初めてだ

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カツカレーの大盛りを食す

あまりの美味さに涙が出そうになる

 

お腹もいっぱいになり満足して帰路へ着く
途中少しだけ渋滞があったけど18時には帰宅できた


今回はずっと行きたかった秘境南アルプス南部をじっくり歩けて本当に楽しかった
並びに今までで1、2を争う過酷な行程だった
そして何よりも落雷の恐怖を身を以て学べた
落雷ばかりは登山技術を磨いても、体力をつけてもどうにも避けられない死の危険である
今後は落雷の可能性がある時の登山の中止
突然の雷雨の際は勇気の撤退を心がけようと思う

全身極限まで疲労してるが、無事怪我無く下山できた事を山の神様に感謝です

 

今回は「南アルプス南部縦走(後篇)」のレポでした

 

 

 

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